Viral Feed ご紹介(概要編)

TechCollab2008-02-10


2週間後に未踏の最終成果報告会も迫ってきたこともありますので、今日はViral Feedというサービスについて軽く紹介してみようと思います。

Viral Feedhttp://viralfeed.net/

一度に全部説明すると量が多くなるので、概要編と実現方式編と2回に分けで説明していきます。

Viral Feedって何?

Viral Feedは端的にいえばフィード共有インフラサービスのようなものです。

Viral FeedWEBサービスとデバイスとの連携、そしてオンライン/オフラインを問わないシームレスな情報共有を目指したものです。このサービスでは、ある物理位置に対してフィードを注入し、その注入位置近隣にいるユーザに対して注入されたフィードを配信することができます。また、注入されたフィードは配信されたユーザにとどまらず近隣ユーザへ伝播していきます。

すでに他の方に紹介頂いていますが、そこで推測いただいたとおりのサービスです。

おそらく、「新宿駅」という物理位置に対して広告を載せたフィードを配信すると、新宿駅の近くにいる人たちのデバイスにフィードが配信され、さらにその人たちが歩いてすれ違った人のデバイスにもフィードが転送されていくというものだと思います。

このサービスが目指すところは大きく次の3つです。

  1. WEBとリアルの融合(Sync & Share)
  2. 近隣ユーザとの情報共有
  3. 新たな広告モデルの実現

1. WEBとリアルの融合
ここ数年、WEB2.0の名のもとに多くのサービスがオンラインにおいて提供され、かつそれはコンシューマの世界に限らずエンタープライズの世界においても普及してきているということはもうここで説明することはないでしょう。しかし、このWEBの流れが昔のダム端末のような形態にはなっていくのか?というとやはりそうは思えず、じゃあ今後どうなっていく?、自分はどういう世界を望むか?、と考えた結果、「multi-master topology」という形態がはやり幸せであるように考えます。もともと学生時代の研究テーマが分散オーバレイとかP2P関連を結構やってたことからこのような思考になるんだとは思いますが、ここ1年の流れとしてAdobe AIRGoogle GearsMozilla Prismなどが現れている背景からもオフラインで扱うデータとWEBと連携したオンラインのデータをうまくシームレスに流すことができたならばかなり魅力的なことが実現できるのでは!?と思います。また、このWEBの潮流を受けて、無線の利用形態としてはAPとしての利用はますます発展するでしょうが、アドホックという利用形態はますます影をみせてきています。WEBとアドホックとうまく組み合わせたらいいサービスができるのでは、という思いもあります。

以上の思いから本サービスの開発は開始されています。このサービスでは「WEBとリアルの融合」をコンセプトにWeb-Device間のSync、Device間のShareの実現を目指します。

2. 近隣ユーザとの情報共有
現在ではWEB上で様々な情報の共有はできてはいるものの、つい隣の席の人とは意外にも情報の共有ができていないことって結構あるものです。今ではWEB上での仮想的なコミュニケーション、情報共有は今後も発展していくとしても、やはりリアルな世界のつながりは重要で、これを強化するようなサービスがあってもいいのでは、ということでWEBとSyncされた情報が近隣ユーザとShareすることを目指します。

3. 新たな広告モデルの実現
現在の広告モデルにおいては基本的には例えば検索キーワードと連動した広告のリンクがWEBページの一部として表示されます。しかしモバイルデバイスでは画面サイズが小さいなどの制限を受けてPCと同等な効果は望めません。本サービスではフィードを広告媒体として利用することにより、このハードウェアの制限を緩和できリッチな広告コンテンツの提供が実現できます。また指定位置に対して注入ができることにより適切なターゲットに対して広告の提供が実現可能です。

Viral Feedって誰が使う?使うメリットは?

Viral Feedでは位置に依存したフィードを注入することができます。よって、より適切なターゲットに対して広告を配信したい広告代理店、 マスメディアを使った広告配信が難しい中小企業、SOHO経営者、さらには、インディーズで活動しているミュージシャン、アーティストにも最適です。 個人ブログを普及させたいという方にも適していると思います。またオフラインでも情報をやりとりできるため、オンライン/オフライン問わずに シームレスな情報収集を行いたい方、物理的に近隣にいる人達とのコミュニケーションの きっかけを求めている方などにも最適です。

Viral Feedのビジネスモデルは?

このサービスにあたってのビジネスモデルなまだ検討段階です、現時点では、広告代理店、ユーザ企業を主なターゲットとし設定し、物理位置に対する広告注入、注入された人の物理的に近隣にいる人に対しても情報が伝播していく、という点をポジショニングとして設定しています。とはいっても適切なターゲティング広告の提供となるとまだまだ魅力に欠けます*1。もちろんこのサービスはあくまでも物理位置も考慮したフィード共有サービスというものであって、広告に限定されるものではないのでもっと別な観点での利用価値を求めることは可能だと思っています。
またここでは次のようなすばらしい意見を頂いたのでこの考え方もうまく取り入れることができればと思います。

説明を読む限り「位置情報」で広告配信ターゲットを絞っているようですが、「あるフィードを購読している人に対して配信」とかはできるのでしょうか。RSSリーダーは個人の嗜好がかなり反映されているので、このプロジェクトに限らず、広告配信ターゲットの絞込み要素として購読フィードの情報を使うことができれば面白そうな気がします。

補足

Viral Feedはまだまだアルファ公開の前段階の位置づけのサービスです。正式に公開する際にはまたこのブログでアナウンスさせて頂きます。なので、こんなことって実現できないの?開発に参加したい!という意見はどしどし募集中ですのでよろしくお願いします。(現時点では2008年の夏の正式公開を目標として動いています。)

*1:例えば30代男性で子供は二人(男の子と女の子)という人に広告を打ち出したい、ということまで求められるのがターゲティング広告の現状。しかし、これらの情報をサービスに対して入力させるには何らかの必然性が必要。とはいってもこれは個人情報の価値とサービスによって提供される価値を比較してもなかなか困難。